2026 年 5 月

5/2(土)

最近は Groth の A short course on \infty-categories を読んでいる.Cisinski を読んでいることもあってか,それなりに読みやすいと感じるので,これを読んだら(多分あと数日で読み終わる)そろそろ \infty 圏論を使っているような論文も読みたい.

古庄先生の pp 進多重ゼータ値の論文の二本目は普通に難しい.次の金曜日までにセミナーの準備が間に合うか分からない!

5/3(日)

今日は院生室に行った.朝から夕方まで誰も来なかったのでとても快適だった.大学に自分の席があるというのは素晴らしい(nn 回目).そもそも日曜日に数理棟に入るのは初めてだったが,あまりにも人がいなくて面白かった.

院生室の机の中に前の人が残して行ったものたちを整理していたら,個人情報満載の書類がたくさん出てきた.そんなものを置いて行かないで!

Deligne の P1{0,1,}\mathbb{P}^1 \setminus\{0, 1, \infty\} の 12 章を読んだら,何となく古庄先生の pp-adic MZV II の論文でやっていることの理解が深まったような気がする(というよりは漸くスタートラインに立てたという程度ではあるが).P1{0,1,}\mathbb{P}^1 \setminus\{0, 1, \infty\} 上の nilpotent connection の圏と pro-unipotent de Rham 基本群の Lie 代数 pdR\mathfrak{p}^\mathrm{dR} の冪零表現の圏が同値であって,それを通して KZ (pro-)connection が,(dtt),(dtt1)H1dR(X,Q)pdR\displaystyle \left(\frac{\mathrm{d}t}{t}\right)^\vee, \left(\frac{\mathrm{d}t}{t-1}\right)^\vee \in \mathrm{H}_1^\mathrm{dR}(X,\mathbb{Q}) \subseteq \mathfrak{p}^\mathrm{dR} をそれぞれ A,BQ ⁣A,B ⁣A, B \in \mathbb{Q}\langle\!\langle A, B \rangle\!\rangle による left multiplication で定まる gl(Q ⁣A,B ⁣)\mathfrak{gl}(\mathbb{Q}\langle\!\langle A, B \rangle\!\rangle) の元に送る表現に移されることまでは一応証明を追った.

その後は Besser の Coleman 積分論が必要になったので,再び Besser の論文を読み返していたが,前に読んだ時(数週間前だが)より良く分かった気がする.Coleman 積分で対数関数を形式的に添加したりしなかったりするのは円環上での積分を考えるか考えないかという違いだということが分かった.複素関数の気分だと,穴があればその周りをどんなに大きい円環で囲おうが対数関数からは必ず非自明なモノドロミーが出てくるが,pp 進ではそうではなく,residue disc の中の円環では確かに対数関数は変な振る舞いをする(そもそも解析的ではないので,形式的に添加する必要がある)のに対して,その residue disc を外れた他の residue disc では単なる微分方程式の解を Frobenius に沿って解析接続したものとして扱えるということのようだ.

こんな具合で,セミナーの準備には希望が見えてきた.

5/4(月)

微分方程式と接続に関してメモした.常識のようなことなのかも知れないが.

今日も古庄先生の論文を読んだ.(まだ詳細を追っていない箇所が複数あるが)Berthelot–Ogus comparison から得られる冪単 rigid 基本群と冪単 de Rham 基本群の同一視を通して rigid path と de Rham path を繋げたものを自然に二変数非可換冪級数環に埋め込むと pp-adic Drinfeld associator が現れるというところを読んだ.通常の MZV に於けるこれの類似(類似の方向が逆のような気がするが)として,de Rham path と Betti path を繋げて二変数非可換冪級数環に埋め込むと通常の Drinfeld associator が得られるというがあるらしい(同論文に書かれている).このような話は手品のようでとても不思議な感じがする.モチーフ的基本群が混合 Tate モチーフを生成していることを考えると,多分この話はさほど不思議ではない(寧ろ自然である)とは思うのだが,私はまだこの辺りの理論に詳しくないので,今は素朴に感嘆している.それにしても淡中圏という一見すると非常に抽象的で取り付く島の無いような formalism からここまで具体的な結果を引き出せるというのは面白い.このような例は抽象的な数学のあちらこちらに眠っているのだろうから,それを掘り起こせれば楽しそうだ.

Enriquez–Furusho の仕事群の存在を教えてもらった.面白いらしいので眺めてみたい.

風が強い.風が強すぎて駒場キャンパスが大宮に飛ばされてきたようだ.

5/5(火)

今日も古庄先生の論文を読んでいた.昨日詰めるのを後回しにしていた行間を埋めていただけなので目立った進捗はないが,進捗がないというわけではない.

夜は Cisinski のゼミがあった.3 章が終わった.

思い出話:中学生の頃,学校で漢文を習い始めて「白文,訓読文,書き下し文というものがあり,形式的操作によって訓読文を書き下し文に変換できます」と教わった時,ピュアだった私はこれを聞いて「なるほど面白い.では白文を訓読文に変換する操作はいつ習うのかしら?」と暫くの間ワクワクしていたものだった.

自分が有害な人間であること(を確信していること)を理由に人との関わりを避けるのは,他人のことを考えているようでいて,実のところは人間関係における責任を自分が負いたくないが為に適当な口実を付けてそれから逃げているだけであるということに気が付いた.いや,多分同じようなことにはもう既に何回も気が付いている筈なのだが.極度の自意識過剰なので常に自分のことばかり考えてしまう.

5/7(木)

セミナーの準備に追われている.普段からセミナーの準備は比較的早く始めるように心がけているつもりなのだが,どうして毎回前日に焦ることになってしまうのだろうか?

古庄先生の論文は読みにくいかもしれない.明日は一応(複素と pp 進の両方の) Drinfeld associator の Tannakian interpretation を話したいと思う.

pp 進多重ゼータ値は混合 Tate モチーフの pp 進周期として表せるのだろうか? そもそもモチーフの pp 進周期とは何かという問題はあるが,例えば Ayoub のものや Ancona–Frăţilă による André の p 進周期などがある.Ayoub の方は基本的に単位球上の関数しか考えていないので,本質的に Coleman 積分を用いて定義された pp 進多重ゼータ値を表すのは難しそうな気がする.

昨日,整数論サマースクールに申し込んだ.

5/8(金)

今日はセミナーがあった.昨日計画した通り進んだ.来週は山本先生の多重ゼータの集中講義があるので,セミナーは無しにしてもらった.次回までに Grothendieck–Teichmüller 群のことも少し勉強しておきたい.どうでも良いが,Grothendieck–Teichmüller 群は字面がカッコ良いと思う.

motivic fundamental group の一般的な構成が気になっている.参考:

標数 0 の体 kk 上の副代数群 GG が「GG のある非自明な自己射 φ\varphi について,gg1φ(g)g \mapsto g^{-1}\varphi(g) が(各々の kk 代数 LL に対する G(L)G(L) 上の)全単射である」という条件を満たすとき,これから GG に関して何が言えるだろうかということが気になっている.というのも,Besser による Coleman 積分論の Tannakian interpretation では Coleman 関数を nilpotent isocrystal の各々の residue disc 上での horizontal section の族であって Frobenius に沿う解析接続で繋がり合うものとして定義しているが,Frobenius に沿う解析接続という概念を定義するためには一意的な Frobenius invariant path の存在が必要で,これは副冪単 rigid 基本群が先の性質を満たすということから導かれている.Gemini は,このような GG は必ず副冪単だと言っているが,正しいかは分からない.もしこれが正しいのであれば,Coleman 関数の範疇を(少なくとも安直には)冪単でないモノドロミーを持つ微分方程式の解にまで拡張することは出来ないということになるのかしら?(よく分かっていない)

因みに正標数の代数群では Lang の定理 というものがあるらしい.

5/9(土)

古庄先生の Multiple Zeta Values and Grothendieck–Teichmüller Groups を読んでいたのだが,いまいちよく分からなかったので色々と探していたら Schneps の An introduction to Grothendieck–Teichmüller theory という講義資料を見つけた.今日はダラダラとこれを眺めていたのだが,とても面白い.Grothendieck が晩年にやっていたような Q\mathbb{Q} の絶対 Galois 群に関する妙に具体的な研究に前々から興味を持っていたのだが,具体的にどのようなことをやっていたのかがほんの少しだけ分かった.

5/10(日)

Qualls. Lectures on Conformal Field Theory:ちょっと気になる.

通常の de Rham 複体の「qq 変形」として qq-de Rham 複体というものがあり,これが prismatic cohomology の計算などで使えるというような話を少しだけ聞き齧ったことがある(聞いたことがあるだけで,それ以上のことは何も知らない)のだが,ここでいう「qq 変形」は解析数論における古典的な意味での「qq 変形」と何らかの整合性を持っているのだろうか? 例えば,relative な qq-de Rham コホモロジーに Gauss–Manin 接続のようなものが入り,それの水平切断として qq 超幾何級数が現れるというような話を想定している.Scholze の Canonical q-deformations in arithmetic geometry を見てみると,最後の方に同様の言及がなされているが,結論は特に書かれていない.誰かこのようなことを考えている人はいるのかしら?

ということをツイートしたら,Shirai, R. qq-deformation with (φ,Γ)(\varphi, \Gamma)-structure of the de Rham cohomology of the Legendre family of elliptic curves という論文を教えてもらった.やはり考えている人はいるみたいだ.少し気になる.

Deligne–Goncharov の motivic fundamental group はひょっとすると Ayoub の motivic nearby cycle functor の随伴 DM(U)DM(k)\cat{DM}(U) \rightleftarrows \cat{DM}(k) から weak Tannakian formalism によって作られる DM(k)\cat{DM}(k) の Hopf algebra object(の nilpotent part?)なのではないかと思って少し調べてみたが,関連しそうな論文はあった(というか AI が教えてくれた).直接の言及があるかは分からないが,そうでなくても興味のある内容なので近いうちに目を通してみたいと思う.

5/11(月)

昨日言った motivic fundamental group に関することは既に Ayoub が L’algèbre de Hopf et le groupe de Galois motiviques d’un corps de caractéristique nulle II の中(2.4 節)で考えていた.

今日から山本先生の多重ゼータ値の集中講義が始まった.connector や大野関係式といった,名前だけは知っていたものの何であるかは知らない概念を初めて勉強した.

5/12(火)

今日は午前中に通常の授業があり,その後に MZV の集中講義があった.Groth の \infty 圏の PDF を読んだ.モノイダル構造が Δop\Delta^\mathrm{op} 上の Grothendieck opfibration として定式化できるという話は知らなかった.

Fresse の Grothendieck–Teichmüller 群の本の Malcev 完備化の章は役に立ちそうだ.

昨日から肩が痛い.寝違えたにしては長い気がする.

5/13(水)

肩が昨日より痛くなっているので近いうちに病院に行こうと思う.今日は鞄を軽くするために iPad を家に置いて大学に行ったが,矢張り iPad が無いと不便だった.

湘南新宿ラインで新宿から渋谷に行く途中に見える謎の黒い建物が神社本庁であることを知って少し驚いた.こんなところにあったのかと思ったが,よく考えると明治神宮のすぐそばだから自然と言えば自然なのか.

多重ゼータ値の集中講義では,知りたいと思っていながらも面倒で勉強していなかったことをざっくりと知ることができて有難い.

Groth に一通り目を通し終わった.

5/14(木)

肩はまだ痛いが少し良くなってきた.

多重ゼータ値の集中講義の四日目.今日は離散積分表示や級数を有限で打ち切ったものが扱われたが,「級数 = 積分」という形のという式の類似として「有限で打ち切った級数 = Riemann 和」というものが並行的に成立することがあるという話は面白いと思った.こういう話には motivic な背景があるのだろうかと考えてしまうが,今の私にはよく分からない.

それから,Drop 1 作用素という名前だけ聞いていたものも知ったが,これを使ってある種の多重ゼータ値の実現の核が明示的に求まってしまうのはすごい話だ.こういう話は往々にして何かが核に含まれることは自明で,その逆が超難問というものなのに.これもやはり motivic な背景が気になる.

岩成先生の論文とかってそろそろ読めたりしないだろうか?

5/15(金)

多重ゼータ値の集中講義が終わった.今日の講義はかなりテクニカルな計算が多くて若干置いていかれ気味だった.一体どうしてこのような関係式が見えるのか全く想像できない.

数理のアドレスを漸く取得した.大学関連のメールアドレスは ECCS クラウドメールと東大数理のアドレスと IPMU のアドレスの三つになってしまったが,こんなに沢山あっても仕方がないようにも思える.

5/17(日)

今日は院生室に行った.数理棟のプリンターを初めて使った.

セミナーに向けて古庄先生の論文を読んでいるが,よく分からない.(次数付き)Grothendieck–Teichmüller 群なり Racinet の複シャッフル群なりが出てくるが,この辺りの話を全く知らないので,この論文だけではいまいちよく分からない.

この論文を読んだ後に何を読むかも少し考えている.Spitzweck の Derived Fundamental Groups for Tate Motives や Soudères の A Motivic Grothendieck-Teichmüller Group あたりを考えている.

5/18(月)

今週は木曜日の夜に用事があるので早めにセミナーの用意をしておかないとまずいと思って準備をしていたが,そこまで進まなかった.Grothendieck–Teichmüller 群というものが分からない.あと Racinet の複シャッフル群もよく分からない.要するに全てが分からない.困ったものだ.

中村「ガロア・タイヒミュラー群の LEGO 理論」や古庄「Grothendiek–Teichmüller 群」などは参考になる.

Furusho, Jarossay. pp-adic multiple zeta values and binomial multiple harmonic sums という論文を見つけた.

古庄先生のホームページは信じられないくらい視認性が悪くて笑ってしまった.これを見た後に真っ白な論文に目を移すとものすごい残像が見える.

5/19(火)

超局所層理論の授業を受けた.その後は院生室でセミナーの準備をした.

Bar-Natan の On Associators and the Grothendieck-Teichmuller Group I は結構良さそう.これには Drinfeld は読みにくいと書いてある.I と題されているが,II 以降は存在しないのかしら?

先ほどうっかり Xcode を削除してしまったために,VS Code から GitHub に commit できなくなってしまった.しかも,Xcode を再インストールしようとしたら OS の更新が必要だと言われた.(更新すれば良いだけの話ではあるが)困った! 仕方ないので今日はブラウザから commit する.

5/20(水)

OS を更新して Xcode をインストールしたので再び VS Code から GitHub に commit できるようになった.長らく OS を更新していなかったようだが,更新したら UI などが結構変わっていた.

通常の MZV では Betti/de Rham path の比較から得られる結合子(Drinfeld 結合子 ΦKZ\Phi_{\mathrm{KZ}})と複素共役から得られる結合子(古庄先生の論文で ΦKZ\Phi^-_{\mathrm{KZ}} と書かれているもの)がそれぞれ M1(C)\underline{\mathrm{M}}_1(\mathbb{C}), GRT1(C)\underline{\mathrm{GRT}}_1(\mathbb{C}) に属するのに対して,pp 進の場合には rigid/de Rham path の比較から得られる結合子(古庄先生の論文で ΦKZp\Phi^p_{\mathrm{KZ}} と書かれているもの)と Frobenius 作用から得られる結合子(Delinge 結合子)がどちらも GRT1(Qp)\underline{\mathrm{GRT}}_1(\mathbb{Q}_p) に属するのは少し不思議な感じがする.何故だろう? 恐らく pp 進の場合と複素の場合のモノドロミーの違いが影響しているのだろうが.

夜は Cisinski のゼミがあった.今日から 4 章に入り,段々面白い感じになってきた.

セミナーの準備はそれなりに進んだと思う.

5/21(木)

齋藤毅先生の分岐理論の本が漸く出版されるらしい:Ramification Groups of Local Fields

An OpenAI model has disproved a central conjecture in discrete geometry:AI が代数的整数論を応用して離散幾何学の問題を解いたということで朝から Twitter が賑わっている.この問題のことは知らなかったのだが,どうやらそれなりに伝統があり,多くの人が期待していた予想が反証されたということらしい.私は数学の問題が全て AI によって解決されるとは思わない(例えば Grothendieck の standard conjecture などは現代数学に存在する枠組みだけで解けるのか疑わしいと思う)が,今後このような例が更に増えていけば面白いことだと思う.AI 界隈の人がモチーフ論に目をつけて AI を全力で走らせたら,現在の未解決問題の山のうちどれくらいの物が解決されるのかなどは気になる.尤も,それを実行されてしまうと私が修論で苦労する可能性が高くなるのだが…… 数学者という職業を目指す上では厳しい時代になりそうだが,数学を学ぶ上ではとても便利な時代になった.

今日の夜は中高時代にお世話になった先生に鰻をご馳走していただいた.関西では鰻を蒸さないということを初めて知った.

明日のセミナーの予習で分かっていないところがあったのだが,寝る直前になって分かった.

5/22(金)

今日はセミナーがあった.古庄先生の pp 進多重ゼータ値の Tannakian interpretation の論文の残りの部分を話した.Deligne associator や ΦKZ\Phi^-_\mathrm{KZ}(名前が分からない)を紹介した後,MT(Z)\cat{MT}(\mathbb{Z}) の motivic Galois 群と(次数付き pro-unipotent)Grothendieck–Teichmüller 群と Racinet の複シャッフル群を導入して,pp 進多重ゼータ値が複シャッフル関係式を満たすことの motivic な証明を紹介した.取り敢えずこれで pp 進多重ゼータ値の話はお終いにしようと思う.次からは Spitzweck の derived fundamental group の論文でも読もうかと思ったが,これを読む前に Kříž–May の operad の論文を読んでおいた方が良いような気がする.これもモチーフに関連する論文ではあるので,これについて発表しても良いのだが.

最近は Grothendieck の Esquisse d’un programme を少し眺めている.本当に浅い指摘だが,Grothendieck が元々考えていた Grothendieck–Teichmüller 理論,即ち「Teichmüller tower 全体と整合的な群作用として Q\mathbb{Q} の絶対 Galois 群を特徴付ける」という発想は,Galois 圏や淡中圏のような「あるシステム全体と整合的な自己同型が重要な情報を全て持っている」という考え方と似ているなと思った.Grothendieck–Teichmüller 理論の方はまだ未知のことの方が多い領域ではあるのだろうが.

それから,

Il semblerait (incroyable, mais vrai !) que la géométrie même du premier étage de la tour de Teichmüller (correspondant donc aux “modules” soit pour des droites projectives avec quatre points marqués, soit pour des courbes elliptiques (!)) n’ait jamais été bien explicitée, par exemple la relation entre le cas de genre 0 avec la géométrie de l’octaèdre, et celle du tétraèdre. A fortiori les multiplicités modulaires M0,5M_{0,5} (pour les droites projectives avec cinq points marqués) et M1,2M_{1,2} (pour les courbes de genre 1 avec deux points marqués), d’ailleurs quasiment isomorphes entre elles, semblent-elles terre vierge — les groupes de tresses ne vont pas nous éclairer à leur sujet ! J’ai commencé à regarder M0,5M_{0,5} à des moments perdus, c’est un véritable joyau, d’une géométrie très riche étroitement liée à celle de l’icosaèdre.

という記述があったのだが,la relation entre le cas de genre 0 avec la géométrie de l’octaèdre や une géométrie très riche étroitement liée à celle de l’icosaèdre とは何だろう? Grothendieck は『蒔いた種と収穫と』でも正多面体に言及していたと思うのだが,それだろうか? このような研究はそもそも行われているのかしら?

今日の夜はヴァイオリンのレッスンがあった.今月末に試演会があって,ヴィヴァルディの協奏曲を弾くのだが,仕上がりがまだ芳しくない!

5 月 8 日の日記に書いた問題は反例があった.AI が教えてくれたのだが,Gm2\mathbb{G}_\mathrm{m}^2 の自己写像で (g1,g2)(1,g1)(g_1, g_2) \mapsto (1, g_1) というものを考えればこれが反例である.

5/23(土)

Kříž–May を少し読んだ.Operad は面倒だ.

今日はアルバイトがあったので疲れた.

Mirga Gražinyte-Tyla はヴァインベルクの作品を結構積極的に取り上げている印象があって,個人的には嬉しい.ヴァインベルクの交響曲はあまりパッとしないものが多いと個人的に思っているのだが,21 番は良い(6 番や 10 番も良いと思う).ヴァインベルクはどちらかというと室内楽の方に良い作品が多いと思う.

分析美学が微積分学のアナグラムであることを発見した.

メモ:指導教員とのセミナーで読んだ論文やその時に参照した論文のリストを作っておきたい.

5/24(日)

ドストエフスキー全短篇 〈1〉:一昨日から売っているらしい.聞いたことすらなかった作品も幾つか収録されている.

Kříž–May を読み進めていた.operad の理論は煩雑で面倒すぎる.具体的に色々と手を動かしてみないと理解が得られなそうだと思った.可換代数,結合代数,Lie 代数などといった様々な代数的構造が operad でエンコードできてしまうのは面白い.

Kříž という名前はキーボードで打つのがとても大変だ.

5/25(月)

Kříž–May の 1 章は 7 割くらい読んで,operad の定義などは一応分かったので,2 章は飛ばして 3 章を先に読むことにした.この章は Derived categories from a topological point of view というもので,“an extremely close analogy between the derived category DA\mathcal{D}_A of differential graded AA-modules and the stable homotopy category of spectra” を解説したものだそうだが,この類の話は現代的には \infty 圏の枠組みで議論する方が筋が良いのだろうか(Kříž–May はすべてモデル圏の言葉で書いている).尤も,モデル圏で書かれた方がより down-to-earth なので手で触りやすいと思うのだが,これも偏に私が \infty 人類になれていないからそう思うというだけのことかも知れない.いずれにせよ現代的なモチーフ論をやるのであれば \infty 圏は不可避だと思うので,早く使えるようになりたい.

Daniel Kriz という人と Sophie Kriz という人は Igor Kříž の子供なのだろうか? 特に Sophie Kriz はすごい人らしい.ここには両親も数学者だと書いてある.

大槻『結び目の不変量』(共立出版)を読み始めた(続くかしら?).結構面白い.買った時は全然意識していなかったのだが,先の方には KZ 方程式や Drinfeld 結合子のことも少し書いてある.

5/26(火)

超局所層理論の授業では intersection cohomology のパートが終わって超局所層理論が始まった.この辺りは去年聞いた話だが,だいぶ忘れてしまったので復習にちょうど良い.

岩澤理論をやっている人から岩澤理論の話を聞いた.今まで岩澤理論は勉強する機会がなくて全く知らなかったのだが,面白そうだと思った.

夜は友人と池袋でカレーを食べた.偶々 Google map で見つけた薄暗くて小さい店だったがとても美味しかった.

コパチンスカヤが演奏するショスタコーヴィチの協奏曲の動画が三ヶ月前に投稿されていたことに気が付いた.嬉しい.コパチンスカヤがこういう曲を演奏するととても映える.

Kříž–May を少し読み進めた.cell module という概念が扱われているが,どうやら dg 代数の導来圏における fibrant replacement が概念的に分かりやすい形で(トポロジーにおけるのとパラレルに)記述できるという話らしい.知らなかった.

5/27(水)

クラスナホルカイ『サタンタンゴ』:去年クラスナホルカイがノーベル文学賞を受賞して国書刊行会が即座に『サタンタンゴ』の翻訳の計画を立てていたと思うのだが,もう来月には発売されるらしい.368頁だそうで,(映画のことを考えると)意外と長くない.

Spitzweck を読む上で Kříž–May はそこまで真面目に読まなくても良いような気がしてきたので,Kříž–May はそこそこに済ませて Spitzweck を読み始めた.

5/28(木)

Springer 対応の授業は多分ちょうど盛り上がってきたところだと思うのだが,表現論が分からないので 2 割くらいしか理解できていない.代数的サイクルの方は classical なモチーフの圏が定義された.今学期は Kelly 先生が理解可能な話をしていて嬉しい.

Spitzweck を読んでいるが,結構読みやすい気がする.

5/29(金)

今日は一日中家にいた.昨日までは Spitzweck をセミナーで扱う予定でいたが,読んでいるうちに別にセミナーで扱っても仕方がない(自分で勝手に読めば良い)ような気がしてきたので,何か他に良い論文がないかと探していたら,Kim Minhyong の The motivic fundamental group of P1{0,1,}P^1\setminus \{0, 1, \infty\} and the theorem of Siegel が motivic fundamental group の応用として面白そうな上に前回までに読んでいた古庄先生の論文とも関連があってちょうど良さそうだという結論に至った.この論文では motivic fundamental group を用いた議論で Siegel の定理(有限個の素数の集合 SS に対して,a+b=ca+b=c を満たす整数 a,b,ca, b, c であって SS に含まない全ての素数と互いに素なものの組は有限個しか存在しない)を示した論文で,所謂非可換 Chabauty 法というものの嚆矢となった仕事らしい.

Kim の The unipotent Albanese map and Selmer varieties for curves という論文も面白そうだ.というか Kim の仕事はどれも面白そうだ.しかし,組版に気を遣っていないような雰囲気を感じる.The motivic fundamental group of … では何故か写像の合成の記号が全てラジオボタンになっていて訳が分からない(これは組版への無頓着とは関係のない話なのかもしれないが).

Salch の KUKU-local zeta-functions of finite CW-complexes という論文を眺めていたら 1355 次元球面が出てきてウケた.この人は今まで全く知らなかったのだが,数論と安定ホモトピー論にまたがる研究をしているそうで,いつか論文を読みたいと思った.

来週の火曜日は Cisinski のゼミがあり,私が発表予定なのだが,まだ準備を全くしておらず,段々と焦ってきた.

M0,n\mathcal{M}_{0,n} については Kock, Vainsencher. An Invitation to Quantum Cohomology の 0 章が結構良さそうだ.

5/30(土)

午前中にヴァイオリンのレッスンがあり,午後はアルバイトがあった.最近は平日の夜にヴァイオリンがあることが多かったのだが,今週は久しぶりの土曜日だった.以前はこれが普通だった筈なのに,久々にこの日程だと結構疲れてしまった.

サイゼリヤに暫くぶりに行った.この物価高の時代に変わらない値段を貫いているのは本当に有難いのだが,ちょっと心配になってしまう.

数学科の大学院に進んだとしても(或いは進んだからこそ)学部時代のように腰を据えて数学書を読む時間が取れるわけではないということに,最近薄々気が付いてしまった.

明日はヴァイオリンの試演会がある.

5/31(日)

ヴァイオリンの試演会があった.ヴィヴァルディの協奏曲(RV 317)の第三楽章を弾いた.(今の私にとっては)結構難しい曲なので,当然幾つかミスをした.ミスを減らす為に頑張るのは勿論だが,ミスをしたとしても恰もミスなんてしていないかのように開き直って堂々と演奏し続ける胆力も大事なのだと思うが,それも結構難しい.

ヴァヴァルディはマイナーな曲が無限にある.というか一般には四季以外ほぼ全くと言って良いほど知られていないのではないか.私も全然詳しいわけではないが.今回演奏した曲も鈴木の教本に載っていなかったら知らなかったと思う.

Ls Stum の The Overconvergent Site が気になる.