明日の夜の Cisinski のゼミの準備に追われていた.まだ終わっていないが,残すところ命題一つというところまで来たので,明日の授業の後に準備をすれば間に合うだろうと思う.
単体的集合の細かい議論は本当に発狂しそうになる.もしもタイムマシンがあるならば,数年前の自分に 圏の勉強は時間がかかるので早いうちから少しずつ進めておきなさいと伝えたいところだが,とはいえ導来圏やモデル圏にある程度触れた後だからこそ 圏のモチベーションが分かるというところもある.
今日は水曜授業の日なので Deligne–Lusztig 理論の授業があった.Deligne–Lusztig 多様体が定義されたが,どうしてこのような定義を思いついたのか分からない.
生協で充電器を買って院生室に置いてきたので,わざわざ家から充電器を持って行かずとも大学で充電ができるようになった.ところで,これは生協に加入していない私が完全に悪いのだが,今年度に入ってから非組合員料金が加算されるようになってしまったのが悲しい.
Cisinski の準備は意外と余裕を持って終わらせることができた.
OS を更新してから Preview が重くなった.
明日は台風が来るそうだが,折よく大学が休みだった.大昔の記憶だが,私が B2 だった頃の生命科学の試験当日(日付を調べてみたら 6/2 だったらしい)には台風が直撃して,試験から帰る時には駒場が水浸しになっていた.
Kim の論文があまりにも読みにくすぎるので AI に愚痴ったら,確かにあの論文は読みにくいですと言われて(尤も彼らは何にでも話を合わせてくるのだが),他のもう少し読みやすいらしい論文やサーベイを教えてもらった.このうちどれかをセミナーで読むかもしれないので,メモしておく:
Kim 自身の講義のスライドもあった.
身の回りから知っている人が何人か失踪し,しかも空から謎の白い灰のようなものが大量に降ってきていて,その場にいる人たちとこれは何だこれは何だと話しているのに,ニュースや SNS を見ても何の反応も報道もないという夢を見た.
私が住んでいる所では,台風はそこまでではなかった.善福寺川や神田川などは氾濫危険警報が発出されたそうだが.
Dan-Cohen, Wewers の Explicit Chabauty-Kim theory for the thrice punctured line in depth two をセミナーで発表しようと思って読んでいた.この論文は割としっかり書かれているような気がする.多少準備は進んだが,発表に十分なだけの準備が明後日までにできるかが少々不安なところ.
週末の試演会で一応ヴィヴァルディの協奏曲は終わったことになったので,新しくダンクラのパチーニの主題によるエア・ヴァリエの譜読みを始めた.ダンクラとパチーニって誰? 寡聞にして知らなかった.
今日は午後からセミナーがあったのだが,準備があまりできていなかったので,負け戦が確定した状態で望むことになった(別に酷い詰められ方をするとかはないのだが……).あまり面白いところまで到達したなかったので,次までにはそれなりに読み進めていきたい.先生から「——君は興味が個性的だから良い感じに着地できれば面白いことができそうだね」と言われたので修論を頑張りたいぞという気持ちになった.いや,元から頑張るつもりではあるけれども.
モチーフ論の人たちが専ら pro-unipotent group を扱っているのは,勿論混合 Tate モチーフの motivic Galois 群の興味深い情報が pro-unipotent 部分に集中しているということがあると思うのだけれども,一般の pro-algebraic completion は複雑すぎて手も足も出ないということもあるのかしら.私が知らないだけで非自明な reductive part を持つ Galois 群を相手にした研究もあるのかもしれないが…… と言ったものの,多分 Ayoub はその方向で研究しているのかもしれない.relative Kontsevich–Zagier でも鍵となった位相的基本群の Zariski density だとか,あるいは Anabelian presentation of the motivic Galois group in characteristic zero などはそういう研究だと思う.後者はこれまたあまりにも長いので読んでいないが,そう思って眺めてみると面白そうではある.
Joseph Ayoub: Anabelian representation of the motivic Galois group という動画を見つけた.今度見る.
メモ:Corwin, Dan-Cohen. -adic Periods and Selmer Scheme Images
夜はヴァイオリンのレッスンがあった.エア・ヴァリエ難しい!
進微分方程式や 進 Galois 表現に関することを知りたいと思ったので,次のセミナーまでの余裕があるうちに Berger の An introduction to the theory of p-adic representations なんかを読みたい.
パンくずリストを作った.その為にディレクトリの構造を大幅に変えた.以前からかなりメチャクチャな構造をしていたので,いつか整理しないといけないと思っていたのだが,漸く重い腰を上げて綺麗にした.まだ不満足な部分が多いが,取り敢えず機能するようにはなったので,細かい調整はまた明日以降にやることにする.
昨日作ったパンくずリストを調整した.cetera より miscellanea の方が適切かと思ったので変更した.
Berger の最初の方に Sen の理論が出てきた.先学期出ていた(そしてついていけなくなって途中で出なくなった)辻先生の 進 Simpson 対応の授業で最初に Sen の理論がそれなりに詳しく解説されていたことを思い出した.
Dotsenko, Shadrin, Vaintrob, Vallette. Deformation theory of Cohomological Field Theories:物理っぽい論文に Grothendieck–Teichmüller 群が登場していて気になる.
オカルト数学者:日本各地に存在する神社を結んで simplicial set を作る.
整数論サマースクールの為の飛行機のチケットを取った.いつもの procrastination を打破して今回は割と早めに予約することができた.
Berger の An introduction to … を読んで,よく見る や とやらの構成を知った.謎の構成すぎて一体どうやって Fontaine はこんなものを見つけたのか皆目見当がつかない.
引き続き Dan-Cohen–Wewers を読んでいるのだが,よく分からない.
今日は怠惰な一日を過ごしてしまった.
今日の朝は村瀬先生の In Search of a Hidden Curve を少し眺めていた.まだ全て読み終わったわけではない.ある種の曲線を見つけることが非常に critical に効いてくるという状況があるという話らしい.
Dan-Cohen–Wewers を読む為に色々と考えていたが結局何も分からなかった.polylog の幾何学的・モチーフ的な解釈に関してもっとよく知ると良さそうな気がしたので,polylog について調べていた.Dan-Cohen–Wewers. Mixed Tate motives and the unit equation の第 5 節などは参考になりそうな気がする.あとは Goncharov の Multiple polylogarithms and mixed Tate motives や Hain の Classical Polylogarithms なども.それから,モチーフ的な方では Dupont, Fresán の A construction of the polylogarithm motive や Ayoub の博論にも書いてある.後者は読むのが大変そうだが.あと日本語で書かれたものでは坂内先生の 虚数乗法をもつ楕円曲線の 進ポリログと 進 函数も(概説的なので詳しくは書かれていないが)参考になる.
Deligne が droit projective moins trois points(どうでも良いが,語呂が良い)の論文を書いた時にはまだモチーフの決定的な定義が存在しなかった為に,この論文ではモチーフの定義として大量の実現と比較と適当な構造の族という冗談みたいなもの(実際,Deligne 自身も序文で « La définition exacte n’est pas à prendre au sérieux: selons les applications — et ce qu’on est capable de faire — il peut y avoir intérêt à ajouter ou à soustraire tant aux données qu’aux axiomes » と述べている)を採用しているのだが,それにも拘らず今尚モチーフを勉強しているときにこの論文に立ち返ることが少なくないのは結構不思議なことだと思う.Deligne の慧眼ともいうべきものか.
ところで,Deligne の droit projective moins trois points では cohomological motive が使われているのに対して,現代的な文献では homological motive が使われることが多いのだが,ここで(も)少々混乱していたということに今更ながら気がついた.
Connes, Consani. On the Absolute Geometry of が凄いらしいが,私は Scholze の仕事を全然知らないのでよく分からない.
Urbański, Ferrández・Schostakowitsch, Elgar, Strawinski. Musikverein Wien · Großer Saal:Dmitri Schostakowitsch, Scherzo fis-moll op. 1 ← あまりにも知らない曲.Urbański とウィーンフィル,録音が公開されるのであれば楽しみだ.
気晴らしに Brosnan, Elzein. Variation Of Mixed Hodge Structures を読んでいた.Hodge 構造あたりの話は何回か勉強しようと試みたことがあるのだが,なかなか身に付かない.
すごい! 私は東方原作をプレイしたこともないし Switch も持っていないが,これは気になる.
所謂 Algebraic geometry in Tannakian category において,常識的に成り立っていて欲しいことが実際に成り立つのかが分からない.Deligne はサラッと unipotent group object と nilpotent Lie algebra object が等価であるということを述べているし,Dan-Cohen–Wewers では non-abelian group cohomology が一般の淡中圏で普通のものと同様に(explicit にコサイクルを定めることで)定義できるということが書いてあるが,これも確かめるのがかなり面倒そうで気が滅入っている.
Deligne–Goncharov の 3 章を少しだけ読んだ.途中から (co)simplicial な議論が始まって読むのが面倒になってしまったのだが,最初の数節だけでもそれなりに有意義だった.群 に対して,その群環の augmentation ideal を とすると, 加群は自明表現の 回拡大によって得られる表現と対応しているということを知った.言われてみれば確かにという気がする.
最近は非可換 Chabauty–Kim 法を勉強する為に Deligne(など)の文献を漁る日々だが,motivic fundamental group の話は様々な所に散らばっていて(と言っても主なものは Deligne の と Deligne–Goncharov だけかも? しかし,それでも全部読むのは厳しいのでやはり欲しい部分を探し出す為に漁る必要はある)よく分からないし,そもそも理論そのものももう少し洗練した方法で記述できないものかなと思う.
その関連で言うと,恥ずかしながら混合 Tate モチーフの Hodge 実現が忠実充満であること(Deligne–Goncharov 2.14)も今日初めて知った.だったら何でも言えそうな気がする.一般のモチーフに対してその Hodge 実現が忠実充満であるというようなことは到底手の届かない超難問なので,混合 Tate モチーフでもどうせ分からないのだろうと思っていたのだが,そうではないらしい.混合 Tate モチーフって扱い易いんだなあ.
Ayoub の博論,465 回引用されていて凄すぎる.
Springer 対応の授業では generalized Springer correspondence というものが始まった.これもまた面白そうな話だが,私の表現論パートの理解不足の故にあまり理解できていない.
モチーフの授業の方は homological equivalence と numerical equivalence が定義された.半分くらいは知っている話だが,Chow motive の -ideal と adequate equivalence が(順序を保って)全単射に対応することなどは知らなかった.
ある site 上の simplicial presheaf の圏を(その位相から自然に定まる射のクラスで;例えば Ayoub の Les six opérations … の定義 4.4.28 などに書かれている)Bousfield 局所化した時の local object は単なる sheaf ではなくて hypersheaf(全ての hypersheaf に対する descent が成立する前層)になるということが Dugger, Hollander, Isaksen. Hypercovers and simplicial presheaves に書いてあった.確かに,Bousfield 局所化の定義を考えれば,そのホモトピー圏では Whitehead の定理が成立しそうなので,これが hypercompletion になっているというのは納得できる話ではある.因みに同様の理由で 圏として -homotopy 圏を定義するときにも Nisnevich hypersheaf の圏を 局所化しなければならないらしい(Ohrt のノートを参照).Ayoub の論文を読んでいたときに付け焼き刃で Voevodsky の の構成を勉強して,そのときに前層圏を Nisnevich localization した時の local object が何になるかが良く分かっていなかったので気になっていた.
混合 Tate モチーフの Hodge 実現は忠実充満だから,motivic fundamental group に関しても,その構成はさておき,とにかくそのような対象がモチーフから来ているということさえ分かっていればあとは実現を見て色々と議論をすれば良いということなのだろうか.当たり前のようだが,ずっと見落としていた.然らば数日前の日記で述べた Deligne の の論文が今なお重要性を保っているということもさして不思議なことではないのかもしれない.
底スキームに有限次元性を課しておけば Nisnevich sheaf は自動的に hypersheaf になるらしいので,-homotopy 圏の構成では hypercompletion を取る必要はないらしい:
Deligne の の 16 章を少し読んだ. という同型の意味が分かった.これに伴って Dan-Cohen–Wewers の続きが読めるようになった.ずっとここが分からなくて詰まっていたので嬉しい.この節だけで一週間以上を費やしてしまったが,良い勉強になったし,セミナーで扱わなければここまで粘らなかっただろうから良しとしよう.もっと丁寧に書いてくれよと思ったものの,よく読むと結局必要なことは一応全て書いてあった.
これで Книжник–Замолодчиков 接続(偶には意味もなく衒学仕草をしてみよう…… 偶にでもないか?)が出てくる必然性(というよりは,motivic な背景)も少し明らかになった(と思う).この辺りは議論の詳細を忘れないうちに纏めておきたい.
今日はヴァイオリンがあった.エア・ヴァリエはだんだん楽しくなってきた.カイザーの練習曲は 16 番を始めた.嫌がらせのような練習曲ばかり書いているカイザーにしては珍しく弾きやすい(気がする).
16 日と 30 日の数学講究 XB(日程一覧)は気になるので時間があれば(それから,教室に十分なキャパシティがあれば)潜ってみたい.ところで,私の指導教員は去年度も今年度も数学講究 XB を担当していない(一昨年はしていたらしい)が,担当したらどのようなことを話すのか気になる.来年度にでもないかしら?
私はしばしば自分に対して過度に批判的になってしまうことがあるが,これはただ単に真摯な自省の延長であるというわけではなく,決して反撃してこない相手に対して倫理に託けて攻撃することによって自身の優越性を確保ながら憂さ晴らしをするという卑怯な嗜虐性に基づいているということに気がついた.結局私はインターネットで誹謗中傷して鬱憤を晴らすような人と同じような欲求を抱き,同じような行為をしていたのだ.
次のような思考実験を思いついた:任意の時点及び地点に移動することのできるタイムマシンが存在したとする.もしも 50 年後の自分がタイムマシンに乗って現在の私を殺しにきたら,私は全くの他人に殺される時と殆ど同様の反応(それがどのようなものであるかはさておき)をすると思う.では,同様の役割を担う者を,50 年後の自分ではなく,20 年後,10 年後,1 年後,半年後,1 ヶ月後,1 日後,1 時間後,1 分後とどんどんとより近い未来の自分に置き換えた場合,殺される方の私の心情は漸近的にどのような振る舞いをするだろうか? これは自殺をする時とは異なる心情を発生させるだろうか?(私見:これは自殺とは全く違うと思う.)
Dan-Cohen–Wewers の論文の第 5 節は大体読み終わったので,第 6 節を読み始めた.モチーフ論というと抽象的な感じがするが,この論文は motivic な対象を本当に手で触って扱っているような感じなので楽しい.
KZ connection の方は考えていたがよく分からなかった.de Rham 基本群のそれ自身への作用と対応する pro-local system が KZ connection かと思ったが,本当にそうなのかしら? 明日またしっかり考えてみようと思う.
書店に行ってマムレーエフ(Юрий Витальевич Мамлеев)の『穴持たずども Шатуны』を買った.最近は数学に忙しくて本を中々読めなくなってしまった(悲しいことだ!)ので,あまり本を買っていなかったのだが,内容説明(先程のリンク先参照)を読んだら流石に読みたくなって買ってしまった.さて,読む時間があるのだろうか.
Dan-Cohen–Wewers を読むにも結局 unipotent Albanese map と -adic Hodge map の構成は Kim の原論文を参照する必要がある気がしてきた.unipotent Albanese map は殆ど古庄先生の 進多重ゼータ値の論文の内容に含まれているようなことだった筈なので大して問題ではないけれども.古庄先生の論文を読もうと思った時には非可換 Chabauty–Kim のことなど殆ど知らなかったのだが,結果的にそれが必要になっているので,読んでおいてラッキーだった.
代数群のその Lie 代数への作用は座標環で書くとどうなるのだろう?
アルバイトのための問題を作った.
母校のとある先生の訃報を聞いた.一年間教わったことがあるだけでそこまで関わりが深かったわけではないが,良い先生だったし,まだそこまでご高齢でもなかったと思うので残念だ.
(base は適当に標数 0 の体などにして調節するとして) 上の group scheme とそれに作用する別の group scheme があった時,通常の群の非可換コホモロジーと同様にして -equivariant -torsor を分類するコホモロジー集合 を考えたい.コサイクル条件はスキームの射 に関する条件として記述でき,それらの集合を適切な 作用で割れば 上自明な -equivariant -torsor の同型類が分類できるが,非自明な torsor まで含めて分類するにはどうしたら良いのかが分からない.今私が考えている状況では は split unipotent であって torsor は自明なものしかないから別にどうでも良いといえばどうでも良いのだが……
cf. Stacks Project. 20.4 First cohomology and torsors
Giraud の Cohomologie non abélienne では逆に
Definition 2.4.2. Soit un -faisceau de groupes sur un -site . On désignera par ou par l’ensemble des classes à isomorphisme pres de -torseurs sur (c’est-à-dire de -torseurs du topos (1.7.1)) pointé par la classe du torseur trivial , appelée classe unité.
と書かれている.
しかし今度のセミナーで使う範囲内での淡中圏における非可換コホモロジーについては大体分かったので,あとは Deligne の の内容をまとめて motivic fundamental group の polylogarithmic quotient について用意すれば次回分は足りると思う.unipotent Albanese map に関しては時間があれば準備する.
整数論サマースクールの世話人の方から「あなたの旅程だと飛行機に間に合いませんよ」という連絡が来た.わざわざバスの時刻表まで調べてくださったようで,本当にありがたい.然もなくば長崎に骨を埋めることになるところだった.
それなりに大きい地震があった.緊急地震速報も鳴った.
今日は Deligne–Lusztig 理論の授業が休校なので大学に用はなかったが,院生室でセミナーの準備をしていた.数理棟の近くで草刈りをしていたので刈られた草の良い香りが部屋まで漂ってきていた(草界のサイコパスも同様のことを言うのかも知れない).
セミナーの準備を進めた.大体 motivic fundamental group の polylogarithmic quotient のところは話す準備ができた.ところで,数日前に言っていた KZ connection の話は,以前読んだ古庄先生の -adic MZV の tannakian の方にそのまま書いてある話だった(即ち,KZ connection は基本群の座標環の completion への積による作用に対応する接続であるということ).すっかり忘れていた.このような意味で KZ connection は「普遍的」なものであり,同様の構成は任意の淡中圏において可能だが,このことは具体的に何かの役に立つのかしら.
懸垂をした.思っていたより疲れた.
朝からセミナーがあった.Dan-Cohen–Wewers の 4, 5 節に当たる内容を話した.motivic fundamental group の descending central series の三つ目の部分群による商が混合 Tate モチーフの圏における Heisenberg group object であることを示した.やることは結局色々と頑張って motivic な射を構成して,一度それが出来て仕舞えばあとは de Rham 実現を取って Lie 代数の具体的な議論をするというだけだったのだが.やはり混合 Tate モチーフの Hodge 実現が忠実充満である(従って de Rham 実現は consevative である)ということがとても偉いらしい(実際,この事実の証明は 理論の計算が必要なので,一番深い部分でもある).
セミナーで結局 motivic fundamental group を考えるご利益は何なのかと問われて,よく分からなかったので何なんでしょうねぇ…… と言ったのだが,この論文の先の方を見てみると,その一つは motivic fundamental group のレベルで議論をしておけば自動的に(pro-unipotent)étale fundamental group に関する帰結が得られることなのかもしれないと思った.これ(つまり,Betti 実現と de Rham 実現だけを見て証明した事実が自動的に -adic étale local system に関する何らかの主張を導くこと)はとても不思議に思える.
Tangential base point という概念は,初めて知った時(Ayoub の論文を読んだ時だったが)には謎の概念であるように思われたが,tangential base point を取っておくと穴の周りでの local monodromy が自然に考えられるのだということに最近気が付いたので,確かに便利なものだと思うようになった.
夜はヴァイオリンのレッスンがあった.ダンクラのエア・ヴァリエは結構楽しくなってきた.
復刻版『ウガリト神話 バアルの物語』:この本知らなかったけど気になるねぇ…… 駒場図書館に所蔵されているので今度読んでみようかしら(B1 集密, 164.275:Ta87).
bonndoc が落ちていて Hadian-Jazi の博論が見られなくなっている.数日前には見られたので,その時に保存しておけばよかった.
Dan-Cohen–Wewers の 進 Hodge 理論に関するところがよく分からないので,少し 進 Hodge 理論を勉強することにした.次のセミナーは二週間後なのでまだ余裕はあるはず…… CMI の 進 Hodge 理論のノートを少し眺めてみたら結構丁寧に書いてありそうな気がしたので,最初の方を読んでいた.これを少しずつ読み進めるのでも良いかもしれないと思った.いつ読み終わるかは分からないが.
Hodge 理論と言えば,昔の話だが,どこかでどうやら Hodge 理論というものが重要らしいということを聞き齧った私は Warner の Foundations of Differential Manifolds and Lie Groups(この本の 6 章に Hodge の定理が書かれている)を読もうとして,5 章までは何とか読めたのだが肝心の 6 章が全く読めなかったということを思い出した.結局,今になって顧みると,この本の 6 章に書いてあるような内容は,私の専門の勉強からすると頑張って追う必要があるものでもなかったと思う.Sobolev 空間とか何とか言っているので今でも全く読める気がしない.当時はただ何となく 進 Hodge 理論というものが格好良さそうだと思って漠然と憧れていた(多分本当にそれだけで,そもそも 進 Hodge 理論がどの分野に属するものすらも知らなかったと思う)ような気がするけれども,最近になって漸くこの理論の動機や必要性が分かるようになってきたことは少々感慨深いところがある.
その頃のある日,何かの為に時間を潰す必要があって,その間に池袋にあった(今もあるのかしら?)謎の薄暗いカフェで Warner の 6 章を読んでいて,よく分からない解析的な議論に段々と辟易しつつあったという記憶が何故か今でも残っている.これに関しては,まさにその時読んでいた箇所さえも指定できる(227 頁の Some calculus という節を読んでいた).特定のエピソード——それも別に大して重要ではないものなのに——だけがその前後の文脈などからは独立して何故か記憶に鮮明に残っていることがしばしばあって,特に数学書のどの箇所をどこで読んでいたということを断片的に思い出せることがそれなりにある(皆さんにもありますか?).振り返ってみると,そのような記憶の場面は高校生だった頃が多い.実際,Warner を読んでいたのも高校一年生くらいの頃だったと思う(高一の終わり頃からコロナが流行り始め,その後暫くは当然ながらカフェで勉強するなんて以ての外だった).大学生になってからもそのような記憶が皆無なわけではないが,遥かに少なくなった気がする.これはやはり十代半ばから後半の記憶に何か特別なものがあるからなのだろうか? 大学に入ってからは高校生の頃とは比べ物にならないほど時間が速く進むようになり,一つ一つの記憶もだんだんと軽くなってきてしまったように感じられる.十代の日々は,私が思っていたよりも確りと青春だったのかもしれない!
メモ:
Медленно минуты уплывают вдаль
Встречи с ними ты уже не жди.
И хотя нам прошлого немного жаль
Лучшее конечно впереди!
Lurie, Higher Algebra.:少しずつでも HA を読み進めていこうと思う.今日は HTT を参照していただけで終わってしまったが……
今日は CMI の 進 Hodge 理論のノートを(とても雑に)読んでいた.Berger の方は短いけれども内容が圧縮されていて難しいので,寧ろこちらを流し読みした方が良いかもしれないと思い始めた.CMI の方は Faltings の Hodge–Tate 分解の結果から始まって徐々に理論を作っていく構成になっているので,動機付けが分かりやすくて助かる.数日前に文句を言った記憶がある の構成に関しても,どうして では理論的に不十分なのか,そしてどのような性質を持った環が欲しいのか,それをどうやって作るのかが丁寧に書いてあって素晴らしい.長いからと言って食わず嫌いするものではない.
中村,玉川,望月「代数曲線の基本群に関する Grothendieck 予想」を読んだ.遠 Abel 幾何学について,今までは基本群から曲線を復元してどうするんだと思っていた節があったが,これを読んだらとても魅力的な分野だと思った.こちらも読みたい:中村,副有限基本群のガロア剛性
Ayoub の博論に書いてある polylogarithmic motive が少し前から気になっていたのだが,どう論文は状況が独特(読んでみたら実はそれほどでもないのかもしれないが,何れにせよ中々読む気が起きなかった)で何となく敬遠していたのだが,Ayoub 自身が motivic nearby cycle 周辺に関することを The motivic nearby cycles and the conservation conjecture という文書に纏めていたことに気がついた.
欧陽脩の姓が欧ではなくて欧陽であることを初めて知ってびっくりした(これって常識なのかしら?).Wikipedia には,「欧陽」という姓は複姓のうちでもっとも人口の多い姓であると書いてある.
超局所層理論の授業でシンプレクティック幾何が始まった.zero section とそれを Lagrangian flow で動かしたものとの交点数によって total Betti number を上から抑えられるというような話があったが,エタールコホモロジーでも似たような定理があるのだろうか?
‘symplectic’ という術語は Hermann Weyl が The classical groups: their invariants and representations (1939) で導入したらしいが,その脚注には次のようなことが書いてあって面白い.
The name “complex group” formerly advocated by me in allusion to line complexes, as these are defined by the vanishing of antisymmetric bilinear forms, has become more and more embarrassing through collision with the word “complex” in the connotation of complex number. I therefore propose to replace it by the corresponding Greek adjective “symplectic.” Dickson calls the group the “Abelian linear group” in homage to Abel who first studied it.
因みに ‘συμπλεκτικός’ という単語はプラトーンにも出てくる.
Ξένος. χρὴ μὲν οὖν· καὶ λέγωμέν γε αὐτῆς τὸ μὲν εἶναι στρεπτικόν, τὸ δὲ συμπλεκτικόν. (Politicus, 282d)
コモンルームで今月の数学セミナーを読んだ.
大学の生協書店に行こうとしたら前期教養のロシア語 TLP 同期の T さんに会った.駒場キャンパスの数理棟以外に行くことはあまりないのに,そのあまりない機会の中で T さんとはかなり高い確率で会っている気がする.元気そうで良かった.生協書店ではクラスナホルカイの『サタンタンゴ』を買いに行こうと思ったのだが,見つけられなかった.検索システムで調べると在庫有りになっていたが,今日発刊されたばかりなのでまだ店頭に並んでいなかったのかも知れない.
引き続き CMI のノートを読んでいた.これの 4 節を読むと, の構成もそこまで突飛なものではないような気がしてくる.昨日言及した Ayoub のサーベイも最初の方だけ読んでみた.nearby cycle は結構面白い話だと思うのだが,実はあまりよく知らない(Fu の smooth base change のところで local acyclicity が出てくるので,nearby cycle らしきことに少し触れただけで,それ自体を勉強したことがない).
最近色々な人が mould 理論というものに言及している.私は全く知らないのだが,mould 理論(のうちの一部分)が多重ゼータ値の関係式に関わるものであるならば,多重ゼータ値の関係式はモチーフと関連しているので推移律によって mould もモチーフと関係していることになるが,この関係というのは何らかの意味で直接的なものなのだろうか? もしそうだとしたら気になる(そうでない場合は気にならないという訳ではないが……).
今日は家で工事をしていて環境が良くなかったのでアルバイト関連のタスクを進めていた.それなりに進んだと思う.
夜は Cisinski のゼミがあった.simplicial set の間の射のクラスとして proper や smooth というものを定義してそれらの base change に関する性質を色々といじくり回すと Quillen の theorem A が出てくるというような不思議なところだった.proper/smooth はその名が示唆する通りの base change theorem を満たすのだが,simplicial set では proper/smooth が互いに双対的な関係になっているのが面白かった.例えば étale sheaf についても同様の定理があるのだが,その状況ではそれぞれがそれぞれなりにそれなりに難しい定理で,証明も全く異なっている.HTT の最後の節には位相空間(何か条件が必要かも)の間の proper map がその上の層の 圏に誘導する関手は proper であると書いてあるみたいだ.へぇ〜.
今日の定理:この世界に HTT を通読した人間は存在しない.
証明:HTT を通読した人はもはや人間を卒業している.Q. E. D.
朝,東北でかなり大きな地震があった.私のところはほんの少しだけ揺れていた.
Springer 対応の授業はもうだいぶ分からなくなってきたが,関手遊びのようなことを延々とやった結果として数学的に実態のある結論が得られていて興味深い.先生が黒板にオリオン座のような図式を描いていて面白かった.
モチーフの授業で Jannsen の定理(numerical motive の圏は半単純である)が証明された.今まであまり pure motive を扱うことがなかったので,別に追う必要もないかと思って Jannsen の定理の証明は追ったことがなかった.End を見て元の圏の性質が分かるというのはかなり淡中圏っぽい(というか実際殆どそういうことなのだろうが).そのあとは標準予想の話が始まった.標準予想に関することは一応 André の Une introduction … の対応する箇所を去年の夏休みくらいに読んではいたが,今思うと全然理解できていなかった.この本は確り書かれてはいるが introductory ではないような気がする.
生協書店で『サタンタンゴ』を買った.それから数理科学の 7 月号( 加群)もついつい買ってしまった.
Ayoub の motivic nearby cycle のノートでは,étale sheaf の時と同様の方法(つまり,henselian trait の generic fiber の universal cover から push して閉点を埋めて special fiber に引き戻す)で安直に motivic な nearby cycle formalism を作ろうとすると余計な項が出てきてしまって nearby cycle functor が monoidal にならない(étale sheaf の場合には torsion coefficient であることが効いてこの余計な項が出てこないので,この定式化で上手くいく)から,安直な作り方を修正する必要があるのだが,そこで logarithmic sheaf というものが使えるらしいということが書いてあって,面白くなってきた.しかし,もう夜も更けたので続きはまた明日(今日).
22 時半頃緊急地震速報が鳴った.ここはそこまで揺れなかったが,山梨や静岡あたりで震度六弱だったらしい.最近あちらこちらで地震が起きていて嫌だねぇ……
Hadian-Jazi の博論を読んだ.今日も bonndoc が落ちていたが,幸いにも先日ダウンロードしていたので無事だった.証明をかなり飛ばしながら 2.1, 2.2, 3.1–3 節あたりに目を通した.かなり分かりやすく丁寧に書かれていたので読んで良かった.というかもっと早く読んでおけば良かった.unipotent de Rham 基本群の座標環に入る Hodge filtration についても書かれていた.
そのあとは Dan-Cohen–Wewers に戻って introduction に書かれている unipotent -adic Hodge map の構成を追った.最近少し 進 Hodge 理論を勉強したこともあって,漸く何をしているのかが分かってきたのでとても嬉しい.Diophantus 方程式の解の有限性という非常に初等的な命題を示す為に motivic fundamental group だとか 進 Hodge 理論だとか色々な難しい理論を使うのはとても格好良いと思っているので,頑張って理解したいところ.
Olsson の Towards non-abelian -adic Hodge theory in the good reduction case は著者自身の Web ページで PDF が公開されているので有難い.今回この論文を参照したのは Dieudonné 関手で étale 基本群が de Rham 基本群に移るというような結果を使う為だけだが,流し読みしてみるとこの論文自体も面白そうだった.
学科同期がプレプリントを arXiv に投稿していた.早い!
岡潔が『春宵十話』で『カラマーゾフの兄弟』を絶賛しているらしいということを聞いた.『春宵十話』は読んだことがなかったので折角だし読んでみようかしら.岡潔に関しては何も知らないので万葉集の印象しかなかった.
台風が近付いている所為か,頭が痛かった.
今日は IPMU の数学オープンハウスがあったらしい.去年参加してからもう一年が経つのか.一応私は IPMU 所属の大学院生ということになっているのだが,去年のオープンハウス以来まだ一度も IPMU に行っていない.
日記の index のページで ctrl を押すとその月の各々の月の文字数と累計文字数が表示される機能を追加した.累計は 14 万字を超えている! 意外と書いていたものだ.
これの実装を Gemini に頼んでみたところ機能しないコードを出力したのだが,Claude(無料版)に聞いたら一発で正しいコードを書いてくれた.ここ数ヶ月の間に Gemini の性能が落ちたような気がするので,今月の 29 日に Gemini の無料体験期間が終わった後 Gemini に課金しようかどうか迷っている.もしかしたら ChatGPT か Claude に乗り換えた方が良いのかもしれない.
今日も Dan-Cohen–Wewers の論文が分からない.先生からは夏休みくらいから一旦セミナーを辞めて研究できる問題を探して見たらどうかと言われているので,この調子だと恐らくこの論文を読み終えたあたりでそちらに移行することになると思う.
マムレーエフの『穴持たずども』を読み終わった.意味不明な行動原理で動き続ける狂人たちが殺人やセックスや神学・形而上学談義に明け暮れる本当に訳の分からない小説だったが,それなりに面白かったので,マムレーエフの他の作品も読んでみたいと思った.しかし,残念ながら邦訳があるのはこの作品だけらしい.多分こんなにたくさんのロシア語は読めないだろうが,一応 «Судьба бытия» をメモしておく.
先ほども述べた通り,『穴持たずども』の登場人物たちは紛うことなき狂人であるが,それぞれに(全員ではないが,少なくとも一部の人々には)行動原理があるというところが面白い.つまり,単なる狂人ではなく,彼らなりの論理性を突き詰めた結果として尋常ならざる方向へ突っ走ってしまったというような人々だから,ある種の知的な迫力がある.
同書訳者松下隆志さんの記事:「身体なき魂の帝国 : マムレーエフの創作における「我」の変容」.どうでもよい話だけれども,『穴持たずども』では「哄笑」という言葉がたくさん使われていたが,この記事で «Мир и хохот» が『世界と哄笑』と訳されているので,原語では хохот だったのかしら.
後書きに書いてあったのだが,шатун というのは「冬ごもりに失敗して空腹のまま森をさまよう危険な熊」(ちょうどここ数年日本でも問題になっている!)のことらしい.Wiktionary では «тот, кто любит бродить, шататься» が最初に挙げられている.
ここのところ数ヶ月はなかなか本が読めていなかったのだが,最近になってまた本を読みたい気持ちが強くなってきている.次はこの間買った『サタンタンゴ』を読もうかと思う.
Andreatta, Iovita, Kim. A -adic nonabelian criterion for good reduction of curves:混標数完備離散付値体上の Abel 多様体が good reduction を持つかどうかは 進 Tate 加群上の Galois 表現が不分岐であるか,或いは 進 Tate 加群上の Galois 表現が crystalline であるかどうかで判定できる(Néron–Ogg–Shafarevich)が,一般の semistable curve については non-abelian な情報が必要で, 進の場合には pro- étale 基本群, 進の場合には 進 pro-unipotent étale 基本群を見る必要があるらしい. 進の方は織田先生の結果で,実は pro- 基本群の descending central series の 4 つ目による商までを見れば十分らしい.この情報がどこで効いてくるのか少し気になる.
久しぶりに Kim の Siegel の定理の原論文を読んでみたら,案外読むことができる印象を受けた.書くべきことは書かれている.しかし,やはり読みにくいことには変わりない.この論文では Definition などの定理環境を使わないで重要な射を地の文でしれっと構成していたりするので,大切なことがどこに書いてあるのかが分かりにくい.以前読もうとした時(日記を見返すと,6/2 に Kim の論文の読みにくさを嘆く記述がある)よりは幾らか成長しているようで嬉しい.もしかしたら態々 Dan-Cohen–Wewers を読まずとも Kim の論文で Siegel の定理の証明は理解できるかもしれないが,そうであればセミナーではどうしようかしら?
石破茂と志位和夫が音楽について語り合っている動画があり,ついつい見入ってしまった.
志位和夫はショスタコーヴィチの交響曲の中で 8 番が一番好きらしい.ソ連当局が形式主義者として批判した作曲家としてショスタコーヴィチ,プロコフィエフに加えてポポフも挙げていて流石だなと思った.
そろそろセミナーが近付いてきたので Dan-Cohen–Wewers を読み進めた.6 節は大体読み終わったが,以下の点が分かっていない.
昨日ツイートした 進周期環に関する質問と,少し前の院生室にマグカップを持って行ったというツイートから,院生室の先輩に Twitter アカウントがバレてしまった.昨日疑問に思ったことについて教えてもらえたので有り難かった( の 乗根の方も に入っているとは限らないよう).
non-abelian Chabauty–Kim method が分かってきているような気がしていたが,よく考えてみたら分からなかった.
『サタンタンゴ』を読み始めた.