今年度取って良かった授業

投稿日:2024/2/9

雑記

大学

本日 A セメスターの試験が全て終了し,漸く春休みが始まりました.今学期は授業を詰め込み過ぎてしまい,毎週毎週「今週を乗り切れば……」と言っていたものの,結局最後まで暇になる事なく来てしまいました.丁度良い区切りの時期なので,今年度を振り返って,個人的に履修して良かったと思う授業を紹介します.

外国文学 — フランス文学のエチュード

前期教養,S セメスター,水曜二限,授業カタログ

その名の通り,フランス文学に関する授業です.文学部フランス語フランス文学研究室の先生がオムニバス形式で四回ずつ話をします.それぞれの先生が好きなように (勿論前期教養の学生向けに色々と配慮しているのでしょうが) 話すという授業です.その為,話している先生方も楽しそうなのが聞いているこちら側にも伝わってきました.私は元々フランス文学というものに対して ——食わず嫌いのようなものですが—— 苦手意識が (今もそうですが) あって ,それでも面白い話があるなら聞こうじゃないかというとても生意気な気持ちで受講したのですが,見事に面白かったですね.屢々言われることですが,矢張り「先達はあらまほしき事」ですね.

課題としてこの授業では学期末に一つレポートを書き,それを採点してもらう先生は三人のうちから自由に選べるというものでした.受講する前には私は中盤の四回を担当される王子先生のフランスの政治思想の話題を最も楽しみにしていたのでこれに関してレポートを書くつもりでおり,実際に王子先生の授業はとても興味深かったのですが,その後の浜永先生の詩の授業が想定を遥かに上回る面白さだったので,結局期末レポートは Rimbaud の《酔い痴れた船》 Le Bateau ivre という詩に関するレポートを提出しました.

古典語初級(ギリシア語)I, II

前期教養,通年,金曜五限,授業カタログ前半後半

これも授業名の通り,古典ギリシア語の授業です.一年かけて古典ギリシア語の初級文法を習得することを目指しており,受講し終えた頃には,辞書を使いながらゆっくりではありますが,プラトーンの著作や新約聖書などが読めるようになります.ギリシア語は兎に角暗記するべきことが膨大 (名詞の曲用,動詞の活用,統語論の諸々,……) なので,強制力が働く授業という形で学べるのは,私にとっては有り難かったです.毎回希文和訳 (偶に和訳希訳) の課題が出るので,それをこなすのが幾分か大変ではありますが,良い勉強になるので大変助かります.それらの文章も,多くが古代ギリシアの文学・哲学や旧約・新約聖書などから採られたものである為,それらを実際に読めた時の嬉しさもまた大きいです.

この授業の (私が個人的に考える) 最も良い点は,担当の先生がギリシア語の歴史言語学の専門家なので,通時的な説明が非常に充実しているという点です.ギリシア語の諸々の屈折では不規則に見えるものが少なからず登場しますが,それらに関する説明が (通常の初級文法書などに比べて遥かに) 充実していますし,質問すれば詳しく答えてもらえます.私はこの方面に興味を持っている人間なので,非常に嬉しかったです.

特殊講義 II[イタリア地中海研究コース]

後期教養,A セメスター,金曜四限,授業カタログ

この授業はイタリック諸語 (Italic languages) に関する授業で,古期ラテン語 (Old Latin)・オスク語 (Oscan)・南ピーケーヌム語 (South Picene) を扱いました.それぞれの言語に関して,数回の講義で文法を教わった後に実際のテクストの講読をするという形式の授業です.テクストとしては,古期ラテン語は Cato の『農業論』 De Agricultura とサトリクムの石 (Lapis Satricanus),オスク語はバンティア表法 (Tabula Bantina),南ピーケーヌム語は幾つかの碑文 (AQ.2, MC.2, MC.1, TE.2, TE.4, AP.1, AP.2, TE.5) を読みました.文法の回では印欧祖語からの変化が解説され,講読の際にはそのテクストに現れる単語の意味や形態は勿論のこと,どのような歴史的経緯によってそのような形になっているのかという説明を求められます.殆ど全ての単語に関して (場合によっては複数の) 語源辞典を引いたり適当な文法書を調べなければならなかったので,今年度の授業ではこの授業が一番重かったと思いますが,非常に良い勉強になりました.今年度受けた授業の中で一番面白かったと思います.