今日はヴァイオリンのレッスンがあった.以前にも言及したショスタコーヴィチのデュオの曲を,発表会で一緒に演奏する人と合わせた.
最近は頭痛になることが多い.恐らく気圧の所為だと思うが.特に朝と夜は頭が痛いことが多い.院試前の8月頃に一度それなりに重い頭痛に悩まされていたことがあり,院試の時に良い体調で臨めるか不安だったのだが,幸運にも8月の下旬ごろにその頭痛はかなり良くなった.しかし先月くらいからまた慢性的に頭が痛くなっているような気がする.8月中旬頃には,院試の当日に体調不良に見舞われないように祈ることが院試対策だったのだが,そもそも本来的に人間の凡ゆる行為は祈りに過ぎない.
そういえば来年度の講究の本の一覧が昨日発表されていた.私にとって本当に関係があったのは去年(B3 の時)のものだけだが,講究の本の一覧を見ていると面白いので B3 より前の頃から見ていたし,多分これからも見ると思う.今井先生の Acher, Perverse Sheaves and Applications to Representation Theory や Kelly 先生の Haugseng, Yet another introduction to infinity categories が気になる.あと三枝先生は新しく出版される『ラングランズ予想』を挙げられている.これも気になる.ついこの間まで講究ではどの先生にしようかと迷っていたような気がするのだが,もうあれから1年経ってしまったのだと思うと恐ろしい.今思い返せば,1年前の私は良い選択をしてくれたと思う.
昨日の講究で先生が Ayoub の関数体の Kontsevich–Zagier 予想の論文を読んで欲しそうな雰囲気を出していたので,当該論文 (Une version relative de la conjecture des périodes de Kontsevich-Zagier)を少し眺めてみたのだが,恐ろしく難しそうだった.
Remarque 1.12 — La preuve du Théorème 1.8 repose sur un arsenal de « machineries » plutôt imposant en comparaison avec le caractère élémentaire de son énoncé. Voici une liste non exhaustive de quelques-unes de ces « machineries » qui sont utilisées d’une manière essentielle, bien que parfois cachée.
- La théorie des motifs des variétés algébriques de Voevodsky [20] et notamment l’étude cohomologique des préfaisceaux avec transferts invariants par homotopie.
- Notre théorie des motifs des variétés analytiques rigides [7] et notamment l’étude cohomologique des préfaisceaux avec transferts, surconvergents et invariants par homotopie.
- Notre formalisme des motifs proches, comme développé dans [2], et notamment sa compatibilité avec le formalisme correspondant pour les faisceaux constructibles sur des variétés analytiques [3].
- Le lien entre le formalisme des motifs proches et les motifs des variétés analytiques rigides [7].
- Notre construction des algèbres de Hopf et des groupes de Galois motiviques [4, 5] ainsi que l’étude des groupes de Galois motiviques relatifs et notamment [5, Th. 2.57] qui repose sur le théorème de monodromie de Grothendieck (voir l’appendice de [22]).
- Le calcul de l’algèbre des fonctions régulières sur le torseur d’isomorphismes entre réalisation de Betti et réalisation de De Rham [4, Th. 2.104].
- La correspondance de Riemann-Hilbert sur une courbe et la théorie des équations différentielles à singularités régulières [10].
Ce qui nous amène à la question suivante : existe-il une preuve élémentaire du Théorème 1.8 ? Nous n’en savons rien !
いやいやいや…… とはいえいつまでも「基礎固め」をしていてもキリがないだろうし,この辺りの塩梅は難しいところだ.まずはリジッド幾何を勉強するべきなのか?
Francis Brown の論文は結構読めるのではないかと思った.そこまで多重ゼータ値にのめり込むつもりはないが.
リジッド幾何は予備知識が足りなくて勉強できないというような事柄ではなくて,ただ単にそれを勉強するのにそれなりに時間がかかる(かもしれない)類のものだと思うので,早速リジッド幾何を勉強しようと思って Bosch の Lectures on Formal and Rigid Geometry を読み始めた.最初の方は基礎的な環論に毛が生えたようなもので少々退屈だ.この辺りの結果は結局パッケージ化されて使われるだろうから,証明を一々追う必要は無いと言えば無いのだが,しかしながらこのような証明を読むことが雰囲気を掴むのに役立ったりもするので馬鹿にはできない.
今日も頭が痛かった.多分また気圧の所為だろう.台風が発生したらしい.
演奏中の茶番劇への気合の入り具合と演奏のクオリティの高さのギャップが面白い.
Ayoub は異常に長い論文を大量に書いてしかも後の論文は前の論文を踏まえているので本当に読めない.A guide to (étale) motivic sheaves というものは guide なので手が届きそうだが.
今日は祝日だったので授業はなかったが,Cisinski のゼミがあったので大学に行った.
10/28の日記の後日譚:今日の授業後に先生から「どうして代数幾何をやっていることを知っているのかというと,インターネット有名人だからですよ」と言われた.
Nori の (very) good filtration というのは胞体分割のようなものであるということに今更ながら気が付いた.
昨日言及した Ayoub の A guide to (étale) motivic sheaves を少し眺めてみたのだが,これはかなり読みやすいし面白いので有難い.何となく分かった気分になれる.いや,それではいけないのだが…… スキームに対してその上の étale motivic sheaf の圏を割り当てる2関手 が諸々の公理を満たしており,その公理から proper base change が formal に(とは言っても全てが自動的に導かれるのではなく,証明がかなり難しい箇所はあるそうだが)導かれるということが第3節に書かれていて,これはなかなか意外に思った.proper base change を示す前に を作るらしい.
寺杣先生の An algebro-geometric study of special values of hypergeometric functions という論文は,超幾何級数の特殊値に関する命題を代数幾何的に示しているが,その代数幾何的な部分でかなり具体的な形をした対象を扱っているようで気になった.
少し前に Twitter で「人間は17歳の時に聞いた音楽に最も深い意味を感じる」という研究が流れてきた(これがどれほどの信憑性を持っているのかはよく知らない)ので,私が17歳の時,即ち2021年に発表された音 MAD には何があるだろうかと思って探してみたらやばいクレーマーの SAKURA TV(独唱)があった.私は未だにこれで笑い転げていることがあることを思うと,確かに17歳の時に聞いた音楽は特殊なのかもしれない.——ところで最近の音 MAD の傾向として,歌詞のあるものが多いように感じるのだが,気の所為だろうか? 諸々の編集技術の向上に伴って人力 VOCALOID の敷居が低くなったことなどが影響しているのかしら?
ここ二ヶ月ほどは何故か忙しくてあまり数学書以外の本を読めていなかったのだが,久々にドストエフスキーを読みたいと思ったので『罪と罰』を読み始めてみた.通読するのは多分3年ぶりくらいだと思う.
昨日から講究の準備をしていたのだが,Huber–Müller-Stach の命題9.2.18の証明が全く分からなくて長いこと困っていた.問題の命題は適当な状況下で という関手が定まるという命題で, は恐らく定まるのだが,複体の圏上でも well-defined に定められるのかはよく分からない(厳しそうな気もするが,反例を作ろうとするとかなり煩雑になってしまうのできちんと確かめてはいない).どうもこの辺りは Huber–Müller-Stach のオリジナルの議論のようで,Nori の講義録などではもう少し直接的な議論をしているようだ.実際,この後の議論で実際に使うのは の対象のうち という形のものだけ(少なくとも私が見た範囲内では)のようだし,多分 の上でだけ定めて残りは ad hoc に議論すれば上手くいくと思う.本当は次の講究で Nori motive の基本的なところは終わらせたかったのだが,今日は上述の箇所で時間を取られてしまったのでそこまでいかないかもしれない. の diagram category と の diagram category の同値性まで言えれば良いか……
それから古代ギリシア語方言の授業も今週から講読が始まるので予習を少し進めた.
今日は月曜日の振替授業だったのでコボルディズムの授業があった.代数幾何と違って,位相幾何学だと直感的にやろうと思ったことが何でも出来てしまうので羨ましい.
Huber–Müller-Stach は昨日述べたことの所為で証明がよく分からなくなっているところがある気がする.
講究があった.Huber–Müller-Stach の例の箇所はやはり にしないとまずいらしいと先生に指摘されて気がついた.言われてみれば当然なのだが,何の構造も入っていないただの圏 から導来圏への関手を(特に写像錐などの構成を経由して)定めるのは確かに筋が悪かった.この辺りの話を真面目に詰めようとすると cohomological descent などの話が必要になるらしい(が私はまだよく分かっていない).これに関しては流石に Huber–Müller-Stach の記述が粗雑すぎると思う(いや,基本的に大体は丁寧なので有難いのだが!).
ギリシア語の講読は10行ほど予習して行ったが結局5行しか進まなかった.ただ丁寧に読むのがこの授業の醍醐味なのでこれはこれで楽しい.去年のイーリアスの講読で初回の90分を丸々 μῆνιν に費やした時よりは遥かに多く進んだが……
今日は大学の後にヴァイオリンのレッスンがあった.以前は土曜日にレッスンがあることが多かったのだが,土曜日に希望する人が増えてきているので私は(基本的に常に暇な学生なので)押し出されてしまって最近は金曜日になることが多い.今学期は(今の所)講究が金曜日にあるので,金曜日はかなり疲れる日になってしまう.
Cisinski の読み方がシシンスキなのかチシンスキなのかツィシンスキなのか結局よく分からない.
今日の定理:500ページ以上ある本は読めない.
Nori の formalism の を に置き換えるところの議論は Fresán–Jossen の exponential motive の論文にそれなりに詳しく書いてありそうなので,それを参考にすれば通常の Nori motive の場合も分かりそうだ.
それはそうと の product structure の定義がどうもうまく行っていないような気がする.問題なのは の中での boundary edge で,具体的には と に対して functoriality edge
と
に対する boundary edge を合成しなさいと書いてあるのだが,この functoriality edge の矢印の向きは(そもそも定義が contravariant なので)逆ではないのか??? 私が何か勘違いをしているのか??? しかしこれが定まらないと,少なくとも Nori の方法では に tensor structure は入らないだろうから困るのだが…… 幾つかの文献に当たってみた感じでは,この点は大方「自然に定める」のように流されている.
仮にここが破綻していたとしても結果的に に何らかの方法で tensor structure が定まり,それによって Nori motive に関する結果は破綻を免れているということも十分にあり得ると言えばあり得るのだが……
月曜日に Cisinski のゼミがあるので今日は Cisinski を読み進めたが,あまり進まなかった.準備は間に合うだろうか.
本郷にある川外川で友人たちとご飯を食べた.川外川が本郷にあって駒場にないということは首肯し得ないことである.
今日の定理:理学部一号館は数学科の学生証でも解錠することが出来る.(しかし,聞く所に拠ると数理科学研究科の院生の学生証では解錠出来ないらしい.理屈は分かるが非自明な振る舞いで興味深い!)
今日は Cisinski の Higher Categories and Homotopical Algebra のゼミとロシア語の読書会があったのだが,昨日はその準備に追われていてとても忙しかった.Cisinski のゼミはあまり準備が出来なかったと思っていたが,蓋を開けてみるとちょうど良いくらいの量だった.Cisinski の2章にはモデル圏論が書かれているが,全体を通して非常に技巧的なので読んでいて少々苦しい(面白い部分も勿論それなりにあるが).今回私が担当した範囲では exact cylinder と monomorphism からなる small set が与えられたときに,それを含む最小の -anodyne extension の class を具体的に構成するところ(Example 2.4.13)が面白かった.本当にどうでも良い話だが,anodyne という言葉は言い慣れないので,つい誤って אדוני と言ってしまいそうになる.
三限の cobordism の授業では Steenrod 作用素というものが導入され,謎めいた定義だと思ったのだが,授業後にホモトピー論の人にこの定義のホモトピー論的な(自然な)背景を教えて貰った.
ロシア語の読書会で読んでいる『地下室の手記』は,昔読んだ時にはムッとしたものだったが,今改めて読むと本当に共感を禁じ得ない(尤も,これにムッとする時期も私にとっては貴重なものだったと思うが!).
Как будто такая каменная стена и вправду есть успокоение и вправду заключает в себе хоть какое-нибудь слово на мир, единственно только потому, что она дважды два четыре. О нелепость нелепостей!
数学科の人間がこんなことを言うのも妙な話かもしれないが,本当にそう思う.そして嘗ての私には本当にこの一文目のように(この上なく熱烈に!)信じていた時期があった! でも数学を愛する皆さんには共感していただけるのではないでしょうか? 形而上学的高踏趣味とでも呼べるものに耽溺する時期がありましたよね?
最近読み返している『罪と罰』も『地下室の手記』を踏まえると色々と思うところが少なくない.
Mathematics Genealogy Project を漫然と眺めていたら Abu Mansur al-Hasan ibn Nuh al-Qumri という10世紀のペルシアの物理学者まで遡れることを発見してちょっと興奮していた.
11/8の日記で書いた edge の問題は解決出来そうな気がする(まだ間違いがあるかもしれない,というかこれ自体が全て勘違いかもしれない).適当な と に対して の辺
が定まるが,切除定理よりこれらの singular realization は同型になる(従って特に右側の組は very good である).にこのような形をした辺を逆向きにしたものを に追加して得られるグラフを とし,新たに追加された辺を
と名付ける. に対して前述の同型の逆を対応させることで singular realization による の表現を に拡張することができ,これらの表現が同値な diagram category を定めることは簡単に示せる.また, には product structure が入る.例えば,very good pair , , , に対して
は
と閉移入が誘導する辺
の合成とすれば良い.
ちょうど私が先日騙されたようなことに関する質問と回答を見つけた:Why not define triangulated categories using a mapping cone functor?
中学生くらいの頃に衝動買いした森下先生の『結び目と素数』という本が長らく私の本棚に眠っていたのだが,今眺めてみるとエタールコホモロジーなどに関する部分はもう普通に読めそうな感じがした.とんでもなく難しい本だと思っていたが,結び目理論を少し勉強したら意外と読めるのかも知れない.
今日はずっと講究の準備をしていた.Nori motive は詳細を詰めるのが大変だ.
昨日は講究やギリシア語の講読の準備で忙しかったので日記が書けなかった.講究では一通り Nori motive の構成(Huber–Müller-Stach の 7–9 章)を終わらせた.突貫工事だったので準備が大変だったが良い勉強になった.今学期の講究は最初の三週間で Deligne の 1-motive を扱ってその次の三週間で Nori motive を扱ってきたので,比較的快調だと思う.次回からは一応 Ayoub の Une version relative de la conjecture des périodes de Kontsevich-Zagier を読んでみるということにしたが,何せ難しい論文なので読めなければ別のものを読むことにする.
の積構造の定め方について 11/11 の日記に書いたことを講究で話したらよく読んでいますねと言われたので嬉しかった.後で Huber 自身が公開している errata(それなりに Nori motive に関して調べたつもりだったのにどうしてこれを見付けられなかったのか聊か不思議に思うところだが)を見てみると,矢張りここは誤りであるようで,修正方法が加筆されていた.私が考えたことと大体同じだった.ちょうど 5 ヶ月前ほどに加筆されていたらしい.あと 5 ヶ月早く私が読んでいれば!
ギリシア語の講読はラコーニア方言の碑文を読んだ.方言碑文を読むのは楽しい.授業中,先生が「πόλις の属格がどうして πόλεως になるか分かりますか?」と尋ねる場面があり,去年のホメーロスの講読ではこの問いで 90 分を費やしたことを思い出した.
かなりどうでもよい気付き:ἡβάω はかなり兵馬俑だ.(ヒント:yod present)
駒場図書館の除籍本コーナーに新しい本が数冊追加されており,その中に Русское Советское Искусство в Годы Великой Отечественной Войны という本があったので,かなり重かったのだが衝動的に持って帰ってきてしまった.頁を捲って中を見ていたらバーンスタインとシカゴ響の《レニングラード》の CD ジャケットの背景になっている絵を見つけた.«Окраина Москвы. Ноябрь 1941 года» というらしい.レニングラードなのにモスクワの絵とはこれ如何に.
今日はヴァイオリンのレッスンがあり,伴奏合わせをした.
『罪と罰』(新潮文庫)の上巻を読み終えた.『罪と罰』ってこんなに面白かったのか.ラスコーリニコフはいかにもドストエフスキーらしい屈折した人間でとても良い(良くはないが!).
今日は頭痛がしている.というか毎週日曜日は頻繁に頭痛がするし普段より眠い気がする.気の所為だろうか? 考えられる原因:土曜日にはアルバイトなどがあり,疲労が溜まりやすい.或いは今日は気圧が低いらしいのでその影響もあるのかもしれない.
体調と関係があるのかは分からないが,昔から日曜日が嫌いだったし,今も嫌いだ.「日曜日が終わると月曜日が来るので憂鬱だ」という類の話ではなく,日曜日そのものが嫌いなのだ.上手く説明し難いが,とにかく日曜日には退嬰的で,アンニュイで,澱んだ空気が流れている.尤も最近は日曜日には図書館に籠ることでこの嫌悪感をなんとか誤魔化すようにしているが…… また,同様の理由で年末年始も(日曜日より輪をかけて)嫌いだ.どうしてあんなものを有難がるのかが本当に理解出来ない.可能であれば年末年始の二週間ほどは誰もいない箱に閉じ籠ってやり過ごしたいくらいだ.——とはいえ,こう思えるのも私が平日にも特に何も苦労することなく甘ったれた生活を出来ているからなのかもしれない(というより,そうに違いない)ので,まあ畢竟するに私がどうしようもなく幼稚で世間知らずのお子様だということなのだろう.
今日の午前中は明日のロシア語の読書会の予習をして,午後は数学をした.地下室の男が первоначальная причина ということを連発していて面白い.
Ayoub の Une version relative … を繙読しようと奮闘していたのだが,rappel から既に大変そうだ.Voevodsky のモチーフの三角圏については Voevoedsky, Suslin, Friedlander, Cycles, Transfers, and Motivic Homology Theories の第 5 章や Mazza, Voevodsky, Weibel, Lectures on Motivic Cohomology を参照しながら,それからモデル圏論的なことについては Ayoub の Les six opérations de Grothendieck et le formalisme des cycles évanescents dans le monde motivique の第 4 章を参照しながら読んでいる.Ayoub の Les six opérations … の第 4 章は丁寧に書かれていて(今の所)かなり読みやすいのでとても有難い.それなりに量があるのでこのまま読んでいて次回の講究までにある程度の量の準備が出来るかは分からないが,Bousfield 局所化や(1 圏論的に扱われた)spectra の話も書いてあるし,折角 Ayoub 本人が書いているのだから読んでいた方が良いような気もする.(これを読んでも漸く rappel の一つの節の分の内容なのだが……)
日記を付け始めてから一ヶ月が経ったらしい.
コボルディズムの授業はかなり具体的な計算が扱われていてとても面白い.数論幾何などでもこのレベルの計算が出来たらもっと色々なことが分かりそうなものだが……
月曜恒例 Cisinski ゼミは引き続き前層圏のモデル構造の話だったが,この辺りは一生に一度追ってあとは結果だけ覚えておけば良い類の話のような感じがする.
今日も Ayoub の Les six opérations … を読んでいた.ホモトピー圏を扱うときはまだ少し緊張する.4.1 節をかなり大雑把に読んだのだが,ちょうど Cisinski で読んだあたりとも重複していたので良い復習になった.
バッハの新しい作品が見つかったらしいという動画が通知に来ていた.新発見というよりは,作曲者不明だった作品がバッハのものであると確定されたということらしいが.Newly discovered organ works by Johann Sebastian Bach (Bach-Archiv)
毎週水曜の全休がかなり講究準備の役に立っている.ちょうど今日 Hovey の Spectra and symmetric spectra in general model categories という論文を見つけたのでこちらの最初の方を読んでみた.spectrum や Bousfield 局所化の定義は一応追えたので Ayoub の Une version relative … の 2.1 節くらいはもう読める気がする.とはいえ Bousfield 局所化として定まるモデル構造のホモトピー圏なんて言われてもあまりに抽象的でしっくりこない.
Ayoub の Une version relative … のメモを追加した.
Ayoub の Weil cohomology theories and their motivic Hopf algebroids という論文は気になる.
午前中はヴァイオリンのレッスンがあった.発表会が次の月曜日なので,今日は発表会前の最後のレッスンだった.楽器をそろそろもうちょっと良いものに変えても良いかもしれないですねという話を先生としたのだが,当然それなりに値段が張るのでなかなか手が出せない.勿論私も新しいものが買えるのであれば買いたいとは思っているが……
本当は今日の午後はいつも通り講究がある予定だったのだが,準備が間に合わなそうだったのでお休みにしてもらった.来週までには Hovey の spectra の論文をある程度読んで Ayoub の Une version relative … の 2.1 くらいは話せるようにしたい.
それで今日は余裕が出来たので上野の国立西洋美術館に行って企画展の「オルセー美術館所蔵 印象派」を観てきた(セミナーの準備は???).平日の昼間であるにも拘らず想像以上に人がいて驚いた.やはり印象派は人気なのだなぁ.今は誰でも簡単に写真が撮れる時代だから恐らく嘗てに比べると絵が占める地位の重要さというものは遥かに落ちてしまったのだろうが,画家が描いた絵にはやはり写真では再現し得ないような生命感があるし(などと言うと写真家に失礼かもしれないが,あくまで写真とは別種のという意味であって,どちらが優れているというようなことを言いたいのではない),印象派の画家が描くような絵は殊にそれが感じられると思う.
今日は Hovey の Spectra and symmetric spectra in general model categories を読んでいた.spectra の圏に stable model structure を入れると最初に考えていた endofunctor が autoequivalence になることくらいまで分かった.モデル圏という枠組みはその公理の単純さに比べて理論がとても豊かなので不思議なものだ.
昨日の駒場祭では東大数理の公開講座で D 加群の講義があったそうだが,ちょうど同じ時間帯にアルバイトがあって行けなかったので残念だった.
乗松先生が『ロシア宇宙主義全史 神化思想からトランスヒューマニズム・人新世へ』という本を出すらしい.私が B1 だった頃,前期教養の授業で乗松先生がロシア宇宙主義の講義をされていたことがあったのだが,流石にその頃は大学に入りたてで右も左もわからなかったのでそのような面白い授業の存在に気付けず,後になってからそれについて聞き知ってとても悔しい思いをしたのだが,この本はその講義と同様の内容の本らしい.出版されたら買おうと思う.(ところで去年出たボリス・グロイスの『ロシア宇宙主義』はまだ積んだままだが……)
今日はヴァイオリンの発表会の本番だった.ソロではポルトノフの Concertino (Op. 13) の第 1, 3 楽章を,デュオではショスタコーヴィチの《二つのヴァイオリンとピアノのための五つの小品》の第 1, 2 楽章を演奏した.レオ・ポルトノフ(Лео Портнов)という作曲家はこの曲を弾くまで知らなかったのだが,ウクライナの作曲家で学習者向けの作品を多く書いていた人らしい.私が今回演奏した曲も易しくて弾きやすい曲だが,結構良い曲だと思った.ショスタコーヴィチの方は楽しかった.本当は第 5 楽章まで弾ければ一番良いのだろうが,流石にこれは今の段階では難しすぎる.いつか弾けたら良いなぁ.
発表会があると先生の演奏が聴けるのも嬉しいものだが,今回は先生の演奏の直後にポルトノフを弾いたので緊張した.更に運悪く(?)私たちのデュオの前の人はヴィオラでバッハのパルティータ 2 番のアルマンドを演奏していたのだが,それもとても良い演奏だったので尚更ハードルが上がってしまった.
普段練習をしているときはそれなりにミスをしていたのだが,本番はそこまで大きなミスなく終わったので,ひょっとすると私の普段の集中力が低いということなのかもしれない.
家に帰ってからはまた Hovey の論文を読んでいた.結局 Ayoub を読む為には(というよりは証明が « C’est standard » で済まされている lemme 2.3 の証明が本当に « standard » であることを確かめる為には)この論文は一通り読んでおいた方が良さそうだ.
Hovey の Spectra and … は symmetric spectra のあたりまで読んだ.Ayoub の lemme 2.3 は相変わらずよく分からない.この命題は について何か条件を課さなくても(例えば cofibrant であるとか)本当に成立するのだろうか?
Ayoub は Les six opérations … の中で local object や local equivalence の定義としてホモトピー圏の適当な hom set 上に全単射を誘導するということで定義している(définition 4.2.64)が,他方で Hovey は function complex を用いている.これらは同値になるのかしら?
今日は水曜日だが月曜授業の日だったので大学に行った.生協書籍部に寄って三枝先生の『ラングランズ予想』を買った.今の所 Langlands 予想周辺のことを研究するつもりはないが,読んでおいて損にはならないだろうから時間があれば読みたい.序文には「数論幾何は既にそれなりに文献があるからブラックボックスとして扱い,保型形式の扱いを丁寧に書いた」ということが書いてあったが,これは本当にそうだと思う.私もどちらかというと数論幾何というよりも寧ろ保型形式の方をどうすれば良いのか分からない側なので,こういう本が有難い人は結構いるのではないかと思う.
以前先生に教えていただいた早稲田整数論セミナーの Charles Vial さんの講演 を聞いた.オンラインで参加したのだが,カメラの画質が悪くて黒板の文字を読むのに苦労したので,やはり対面で参加するのが一番良いのだろう.内容は de Rham–Betti 予想に関する入門的な内容(概ね Kreutz, Shen, Vial, Around the de Rham-Betti conjecture をかいつまんだもの?)だった.やっぱりこういう話は面白い.今学期の講究の最初の方で使った Wüstholz の analytic subgroup theorem からも de Rham–Betti 予想への貢献があるらしい(想像には難くないが).やはりこのような fundamental な定理こそが結局は決定的な重要性を持っているのだろう.
二週間ぶりの講究があった.前回は準備が間に合わなくてお休みにしてもらったわけだが,今回は漸く Ayoub の Une version relative … を読み始めた,と言っても,rappels の最初の節 Rappels sur les motifs des schémas を(私が知らなかった所を適宜補いながら)読んでいたらそれだけで終わってしまった(というかそれ以上の準備はできなかった).よく分からなかった lemme 2.3 も大体こうやれば上手くいきそうだという方針を教えてもらったので,それに従えば証明できそうな気がした(まだしていない).ともかくモデル圏は大変だね〜.
次の節ではリジッド幾何が必要になるのだが,果たして準備は間に合うのだろうか…… Ayoub の Motifs des variétés analytiques rigides には Rappels et compléments de géométrie rigide という節があるので,それを読めばなんとかなるかしら.と思っていたら先生からメールが来て,Berthelot の prépublication の 0 章を読んであとは使いながら慣れれば良いと言われた.有難い.今学期の講究は結構無理をしているので,勉強にはなるし楽しいのだが毎週の準備が重い.
最近,問題意識やご利益が分からないような地に足のついていない勉強をするのが辛くなってきてしまっているので,例えば無限圏のような概念には中々食指が伸びずにいたのだが,モデル圏では諸々の定式化があまりにも煩雑なので,無限圏の必要性や(使いこなせれば得られるであろう)便利さが段々と実態のある感覚として身に迫ってきたような感じがする.これは即ち無限圏が地に足がついていると思えるようになってきたということなので,無限圏の勉強も頑張りたい.先生も無限圏のような洗練された定式化とモデル圏のような直接触れる構造の両輪を使えると良いですねというようなことを仰っていた.
思い出話になってしまうが,中高生の頃は若気が至っていたので,ただ単に分野への憧憬だけからよく分からない勉強を続けるというようなことも出来ていた気がする.私がこれに関して特に中高時代の私自身に感謝(?)しているのは曲がりなりにも Hartshorne を(III 章まで)読んでおいてくれたことで,Hartshorne は書き方や動機付けが(例えば伝統的な複素幾何などを知らない人にとっては)分かりにくい箇所も多いので,もし今の状況で代数幾何を全て忘れてもう一度 Hartshorne を一から読みなさいと言われたら挫折してしまうような気がする.何故当時の私に斯様な芸当が可能だったのか今となってはもう分からない.これは老化?
昨日からなんとなく体調が悪かったので.四限には出ないで帰宅した.
Christensen と Hovey の Quillen model structures for relative homological algebra にこう書いてあった.私も気にしていなかったが,確かにそうだなぁ……
An important corollary of the fact that a derived category is the homotopy category of a model category is that the group of maps is a set (as opposed to a proper class) for any two chain complexes and . This is not the case in general, and much work on derived categories ignores this possibility. The importance of this point is that if one uses the morphisms in the derived category to index constructions in other categories or to define cohomology groups, one needs to know that the indexing class is actually a set. Recently, has been shown to be a set under various assumptions on . (See Weibel [Wei94] Remark 10.4.5, which credits Gabber, and Exercise 10.4.5, which credits Lewis, May and Steinberger [LMS86]. See also Kriz and May [KM95, Part III].) The assumptions that appear in the present paper are different from those that have appeared before and the proof is somewhat easier (because of our use of the theory of cofibrantly generated model categories), so this paper may be of some interest even in this special case.
そういえばヴァイオリンの方は発表会以来若干気が抜けていたのだが,今日漸く次にやるヴィヴァルディの協奏曲の譜読みを始めた.
午前中にロシア語の読書会の予習を終わらせた.一昨日先生から送られてきた Berthelot のプレプリントを読み始めたが,かなり簡潔に書かれているようなので,以前ほんの少しだけ読んだ Bosch の Lectures on Formal and Rigid Geometry の内容も若干役に立つような気がする.
数学科の授業でリジッド幾何に関する入門的なものがあれば有り難く思う人は結構多そうな気がする.
『ペール・ラーゲルクヴィスト —三部作・マリアムネ』という本が鳥影社からつい最近出版されたらしい.全く知らなかった.アハスヴェルスの死は一度読んだことがあったが,東大の図書館には所蔵されておらず,私は久喜にある埼玉県立久喜図書館までわざわざ借りに行って読んだし,他の作品は一度も読んだことがないので邦訳が出るのは嬉しい.
今日は久しぶりに本屋に行って吉海直人編『三十六歌仙 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫),中島輝賢編『古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫),川原栄峰訳『ニーチェ全集15——この人を見よ・自伝集』(ちくま学芸文庫)を買った.最近どういうわけか日本の古典への関心が高まっている.『この人を見よ』は以前から読みたいと思っていつつ買っていなかったのだが,最近 X でバズっていたので折角だし買った.
最近は数学の方が忙しくて本を読む時間があまり取れていない.